夏の風物詩、主役たちがやってきた!
「シャアシャアシャア!」「シャンシャンシャン!」
朝、窓の外から聞こえてくる、まるで壊れたスピーカーから流れるロックミュージックのような、エネルギッシュな大音量。そう、今年もついにやつらがやってきました。夏本番を告げるシンガー、クマゼミです!
毎年のことながら、そのあまりの音圧には圧倒されますよね。朝のニュースや音楽を楽しもうとラジオのスイッチを入れても、窓の外から響き渡るやつらの大合唱がすべてを上書きしていく…。まさに、朝の放送枠をかけた「仁義なき戦い」。そして大抵、勝利するのはやつらの方。力強い鳴き声で、私たちに季節の到来を知らせてくれているようです。
耳をすませば、そこは「セミ・フェス」会場!
クマゼミの独壇場かと思いきや、よく耳をすましてみると、他にも個性的なシンガーたちが参加していることに気づきます。
- クマゼミ: 「シャアシャア!」と響かせる、今日の主役。パワフルなサウンドで会場を盛り上げます。
- アブラゼミ: 「ジリジリジリ…」と、少し控えめに、でも着実にリズムを刻む渋いアーティスト。
- ミンミンゼミ: 「ミーン、ミンミンミー…」と、どこか涼しげで美しいメロディを奏でるボーカリスト。
- ツクツクボウシ: 「ツクツクオーシ!」と、独特のリズムと節回しで、一度聞いたら忘れられない曲を披露します。(もう少し後の季節の登場かな?)
- ニイニイゼミ: 「チー…ジー…」と、少し湿ったような声で、どこか物憂げに歌い上げます。
こうして見ると、ただの「セミの鳴き声」が、まるで一大音楽フェスティバルのように聞こえてきませんか?
短い夏を全力で生きる証
セミがこれほど大きな声で鳴くのは、地上に出てからの短い命を、精一杯生きている証拠だと言われています。そう思うと、少しうるさく感じていた鳴き声も、やつらの懸命なラブソングであり、生命賛歌のようにも聞こえてきます。
次にセミの声が聞こえてきたら、ぜひ耳をすましてみてください。「あ、これはクマゼミのソロパートだな」「お、アブラゼミがベース音を刻み始めたぞ」なんて、聞き分けてみるのも一興です。
寝苦しい夜が明け、セミの大合唱で始まる一日。せっかくなら、この夏限定のライブを思いっきり楽しんでみてはいかがでしょうか?