ピンク・パンサーのテーマ曲 再発見

ピンク・パンサーのテーマ曲と聞いてピンとくる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。むしろ、8時だョ!全員集合でよく聞いた、抜き足・差し足・忍び足の効果音と言った方がよくお分かりかもしれません。

1963年公開の映画『ピンクの豹』(The Pink Panther)を今になって初めて見たのですが、クルーゾー警部がザ・ドリフターズの志村けんを思い出させるのが面白い。2作目の『暗闇でドッキリ』になるとさらにその輪郭がくっきりとしてきます。ただ、大惨事を引き起こすシーンは行き過ぎな感じも否めません。

ピンクの豹

公開日: 1963-12-18

世界中の宝石泥棒が狙っている“ピンクの豹"と呼ばれる巨大なダイヤモンド。ダイヤの中に見える傷がピンクの豹に見えることからそう呼ばれる。このダイヤの持ち主はヨーロッパの美しいプリンセスだった。宝石を狙う怪盗ファントム。そしてファントム追跡を命じられたクルーゾー警部は行く先々でドジを踏み、とんちんかんな騒ぎを引き起こす、果たしてファントムの正体を暴けるのか……!?

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世代を超えて愛される名曲

この有名なテーマ曲を作曲したのは、映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニです。『ティファニーで朝食を』の『ムーン・リバー』など、数々の名曲を世に送り出した彼の手によるもの。一度聴いたら忘れられない、少しミステリアスでコミカルなテナーサックスの音色は、半世紀以上経った今でも色褪せません。

もともとは『ピンクの豹』のオープニングで流れるアニメーションのために作られました。

クルーゾー警部と志村けんの共通点

さて、映画に登場するジャック・クルーゾー警部。演じるのはイギリスの喜劇王ピーター・セラーズです。彼の動き、間、そして絶妙なドジっぷりは、まさに志村けんさんが演じるキャラクターを彷彿とさせます。本人は至って真面目なのに、やることなすこと全てが裏目に出て、とんでもないドタバタ劇に発展していく。この「ズレ」の面白さは、国や文化を超えた笑いの普遍的な方程式なのかもしれません。

『8時だョ!全員集合』のコントで、このテーマ曲が盗みのシーンのBGMとして使われたのは、クルーゾー警部のどこか間の抜けた動きと、ドリフのコントの面白さが見事にシンクロしたからでしょう。志村さんがピーター・セラーズから直接影響を受けたかは定かではありませんが、二人のコメディアンの間には、観る人を惹きつけてやまない共通の魅力があるように思えてなりません。

まだ映画をご覧になったことがない方は、ぜひこの機会にどうぞ。テーマ曲の流れるオープニングから、きっと心を掴まれるはずです。

by lwgena